言葉と無意識 (講談社現代新書)
シニフィエシニフィアンを見出したソシュールによる「第2の発見」に注目し、「言葉」を起点に「無意識」との関係を考察する一冊。さーっと読めた。
ソシュールの一般言語学において、ラング(表層のロゴス、制度化された構造)とランガージュ(深層のロゴス、象徴化の活動)とが二分され、前者が信号のように一義的なもので、後者が下意識における多義的な象徴と位置付けられる。その下に無意識(欲動)がある、と言えば、フロイトの「前・無・意識」に対応しているはず。(確か、ちょっと違うらしい)
アナグラム分析において、詩人の作者の意図に拘ったソシュールが、半ば意図しないままに、ラカンなど構造主義の土台を敷いていたとは皮肉なもんだ。しかしアナグラムの説明など、詩の分析って本で読むとどうも苦手である。