大阪は九条まで、映画を見にいった。
『パラダイス/ナウ』
http://www.uplink.co.jp/paradisenow/


イスラエルに対する自爆テロを決行するパレスチナ人の48時間。言われるまで気づかなかったけど、地獄の黙示録をもじったタイトル。映画の構成、登場人物、リズムにおいて、先月に見た『ミュンヘン』とは左右対称だった。


金網に囲まれた「牢獄」に暮らすパレスチナの青年二人のなかで、神の名の下に正義を決行する信条と、日常が交錯し続ける。重いテーマとともに重いイデオロギーが底辺を流れる。けれども、映画は淡々と流れ、90分で終わる。政治的イデオロギーに関して言えば、ミュンヘンとの二項対立であり、それを崩すようなものが見つかったわけではない。技法的に何か目新しいものにも気づかなかった。


けれど、ただひたすらに「淡々と」流れる映画のリズムをもう一度見たいと思う。重い映画のなかで、コミカルささえ生む映画のリズムが、90分の間、スクリーンのテクスチャーを見せ続けるような印象。それが意図しているものが、物理的・心理的に「ドキュメント」なのか演出なのか…。
ただもうひとつ、なにか「映像」が欲しかった。


上映館。こんなサイトも。
スピルバーグを「低俗」とは言わないが。