朝一のTGVで3時間かけてZKMへ。
念願のメディア・アート館へ行き、インタラクティヴ・アートを一通り楽しむ。20年を記念して、「修理して」まで作品を一同に展示した会場では、ひとつひとつ、説明書のない機器を手探りで操るように、作品とのやりとりをおこなう。故障しかけ機械ばかり並んだの郊外型の大型ゲームセンターを想起させるところもあったが―実際に最上階はゲーム機の歴史であった―、メディアアートの作品群のなかで、それが故障なのか操作方法が分からないのか、というズレに身体ごと飲み込まれていく感覚を体感する。乗り物乗車型タイプや舞台上に立つものなど、視聴覚を刺激されるものが多数あり、その多くが「画面」なくしてはありえない。その意味でやはり、ジェフリー・ショーの作品がおもしろい。大掛かりなパノラマ円形スクリーンの存在感もだが、そのなかに3Dグラスをかけて入り込み、100以上の画面がテレビのワンシーンを映しながら周囲を回転する。リモコンでひとつの画面にむけてボタンを押すと、その画面が文字通りに前景化して、その画面の音声が流れるような仕組み。観者の身体感覚が完全に画面に飲み込まれる。画面内の意味作用のみならず、身体的な操作によって、画面そのものの物質性へと志向=思考させる仕掛けが巧妙だった。