■ - C'est pas moi

展覧会は結局、民族博物館とユダヤ博物館、中央文書館の３つを訪れた。
１、ケ・ブランリーでのInvention du sauvageは、人類学博物館が植民地支配とそのスペクタクル化をみずから振り返った展覧会。万博や縁日で「未開人」や「奇形」を見せ物にした写真やポスター、それを記録した映画のみならず、鋳造やドゥムティエの人体測定器まで拝むことができたので満足する。そのまま資料として使えそうだが、重たいカタログは50ユーロで諦めた。
２、ユダヤ歴史博物館でのベンヤミン・アーカイブ展は小振りだが、ベルリンなどで開かれていたものが巡回してきたもののよう。直筆の細かすぎるメモや草稿、死を覚悟した手紙、幼少の頃の写真やパスポート写真に入国履歴、パリでの足跡や住所録に人間関係など、丁寧なキュレーションと情報量の過密さからどこか身震いするような展覧会。
３、その隣の国立中央文書館で開かれていた身元写真カードの展覧会も訪れる。写真以前から始まり、ベルティヨンから指紋のコレクション、犯罪者のみならずパスポートや滞在許可証まで、かなりの数の身元証明カードを並べた展覧会。警察写真のみならず占領下での撮影風景など、先のベンヤミンとのリンクを感じずにはいられない。カタログは社会学者？によるもの。