先月手に入れた雑誌を読み始める。

フランス初の総合スポーツ雑誌であるLa Vie au grand airの創刊号、巻頭文。この雑誌の目的意識は、スポーツの大衆化であるという。「スポーツ」の名のもとに列挙されるのは、自転車・自動車などの乗り物から球技や陸上競技馬術にツーリズムにアマチュア写真の撮影術まで、と幅広い。スポーツ先進国であったイギリスや、台頭するアメリカへの対外的なナショナリスティックな意識を剥き出しにしながらも、この雑誌には、紙面上の写真に関する記述も多い。

例えばこの雑誌上で、写真は、「スポーツへの関心や生活を感動させるものであり」、科学的発展やスポーツ産業の進化と相成って、スポーツを研究するための一手段である。しかし同時に、写真はイラストとして、芸術的であり、目を楽しませるものである、ともある。つまり、写真は文字テクストと並置されながら、科学性と芸術性という二方向の目的をこの雑誌上で有している。

なんだかスポーツ研究みたいになりそうだが、身体表象や技術論、そこにスポーツ選手の精神と肉体の一元論っていう観点(先輩が指摘してくれた)などをいれてみれば、ナチスとオリンピックの関係を待たずして、この雑誌はおもしろい資料になりそう。