2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

森美術館ビル・ヴィオラ『はつゆめ』

先生と合流して、森ビルのビル・ヴィオラ展へ。 県美に来るらしいが、これはヒルズのバブリーな感じと妙にマッチして、おもしろかった。お客のイリもそこそこで、皆、神妙な顔をして見入っている。というのも、ビデオは一貫してスローモーションだからだ。こ…

集中講義

物語絵画のナラトロジ−分析と題された今回の講義では、言葉による語りの意味、すなわち一般的に言うシニフィエが、心的イメージではない、という結論の仮定から始まった。それを考える方法として、小説や映画でも発展してきたナラトロジ−分析を、物語絵画の…

「寓意的手段:現代アートにおけるアプロプリエーションとモンタージュ」 ブックローさんを読み始める。訳語の問題や分量も息も長い文章、道は長くて険しいが、おもしろい。ベンヤミンのアレゴリーを意識しながら、現代アートにおけるアプロプリエーションや…

「ピカビアとX線とラヂオメーター」 Linda D. Henderson 19世紀のスピリチュアリスム、W・クルックス卿とクルックス管、レントゲンなどと、ピカビアの作品の因果関係を探る論文。人間の知覚の不十分さを指摘するピカビアや妻の言葉を根拠に、図像学的にそ…

今日は映画。ソクーロフの『太陽』。終戦時の昭和天皇が淡々と描かれる。「淡々」というのは、この映画が、直接的に史実や時間軸をはっきりとさせることはなく、動乱の日本もほとんど映さず、単純に彼を悲劇のヒロインに仕立て上げるのでもない、ということ。…

昨日の今日で

その足で、国立国際の「エッセンシャル・ペインティング」、「小川信治」、「日本近代写真」展へ。 「エッセンシャルペインティング」 1990年代の欧米絵画をまとめた、というぐらいに広範な展覧会。少々多すぎる出展作家の数に、どうも散漫な感じになってし…

梅田のホテルで読書会。一階喫茶室で二時間近く、キリストの死体についてあーだこーだと語り合う。 ユベルマンもとうとう終わりに近づく。 議論の核は、前回のフロイトの議論を用いた形象化の作業であったように思う。表面としての傷が、その傷穴から、「一…

なんちゃらの秋