2010-01-01から1年間の記事一覧

最近読んでいる本。 A Fleur de Peau -Le Moulage sur nature au XIXe siècle 2001年末にオルセーで開かれた鋳造についての展覧会。 ディディ=ユベルマンが寄せている短い論文は、『接触による類似』とは少しだけ毛色の異なるもの。ポンペイの遺跡で発見さ…

パリで活動されている写真家の水島優さんが、東京で個展を開かれるそうです。 お時間のある方は是非。ブログはこちら。 水島優 個展 開催期間: 2010年7月7日(水) 〜 7月24日(土) オープニングパーティ: 7月10日 16:00 - 18:00 場所: サテライツ・アー…

週末にはもうひとつ、コートルード・ギャラリーへ。少数ながら印象派の代表作が並ぶが、フーコーの『マネの絵画』で取り上げられていたマネのUn bar aux Folies Bergèreを見ておきたかった。 背景の鏡に映る紳士と観者の位置が重なるはずが、どこか視線がず…

TateModernは、期待を裏切らない展覧会だった。「Exposed−窃視症、監視、そしてカメラ」というタイトルから、前半は「窃視」が中心。スパイカメラからEvansの地下鉄シリーズ、19世紀以来の米のドキュメンタリー写真や仏のポルノグラフィなどが並ぶが、後者が…

その後、Photographer's GalleryとTate Modernへ。 前者は、引っ越していて、展示スペースもリニューアルしていた。本屋に行くまで若手写真展を横目に見ていたが、ドイツ写真風だけでなく、極端に薄い額縁やインクジェットプリントと銘打ったり、プリントの…

今日で最終日、楽しみな面子が並ぶが。 一本目は、オーガナイザーでリーダー本も出しているNicholas Mirzoeffで、発表もおしゃべりも上手な方だった。しかし、少し巻き舌で苦労する。。発表は、"Global Visualities and The New Everyday"というもの。歴史の…

re:skin (MIT Press)作者: Mary Flanagan,Austin Booth出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2009/01/23メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る小説も入っているが、Sobchackの「形態学的想像力について」や、Bernadett…

途中、抜け出してウェルカム・コレクションへ。常設展だけだが、こじんまりとまとまった良い展示で、現代の医学とウェルカム卿の人類学・医学コレクションに分かれている。 知らずに行ったのだが、この19世紀末の奇人、Henry Wellcomeの経歴もおもしろい。ht…

Westminster大学で、視覚文化研究のカンファレンス。初日 最初は、W.J.T.ミッチェルの発表で「Race, media and visual culture」というタイトル。 「人種とはメディウムである」というテーゼを中心に、そこから権力、文化、ジェンダー、種について展開する問…

届いた本。 Fresh théorie http://www.amazon.fr/Fresh-Th%C3%A9orie-Mark-Alizart/dp/2756100056 フレンチ・セオリー・ブーム(?)を受けて、それを具体的対象へと適用しようとするこの論文集は、既に2005年から3巻まで出ている。第一巻はポピュラーカルチ…

さて、明日からこれに行ってみる。 http://www.journalofvisualculture.org/2010/05/full-programme-2010-visual-culture-studies-conference%E2%80%A8/ 最新のエントリでは、2008年のインタビューが丸々一冊公開されていた。豪華な面子、以前のOctober誌で…

livre

最近買った本。 Jean Clair 『1895年、不可能な解剖学』 イタリアでの展覧会の際の巻頭文なのか、短いエッセー。映画技術、X線技術が発表された1895年から世紀転換期にかけての新たな技術と身体とのかかわりを論じた見取り図。最後は、同時代の芸術家とフロ…

オルセーで開かれている展覧会、P.H.エマーソンの小写真展「Photography not art」と、JeanClair監修の「罪と罰」展へ。 前者は、ピクトリアリズム写真についての小さな展覧会。コントラストを抑えたボカし気味の風景写真と、対照的に濃淡の強い人物中心の構…

少々古いがAndre Rouilleの19世紀身体写真論をコピーする。 http://www.amazon.fr/corps-son-image-photographies-dix-neuvi%C3%A8me/dp/2859490698/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1271494624&sr=1-2鋳造-写真について、興味深かったHelene Pinetの論文。…

この間、授業で発表。Robert Breerの『A Man and His Dog out for Air』(1957)について。 決して先行研究が多くなく、この時代のアヴァンギャルド映画については分析を寄せ付けぬ作品に政治性を接木した論文が多いが、その技術的自己参照やDubois論文などを…

メモ。 Jean Clair http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2840681560/ref=ord_cart_shr?_encoding=UTF8&m=A1X6FK5RDHNB96 http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/2070746755/ref=ord_cart_shr?_encoding=UTF8&m=A1X6FK5RDHNB96 Regis Durand http://www.a…

ここ二日、エコール・デ・ボザールの図書室にポール・リシェの資料を探りに行く。数々の写真の現物のみならず、モデルについて書き込んだ手稿やロンドと共著で未完の『美術生理学アトラス』、ベルティヨンそっくりの人体測定カードなどを拝む。連続写真のア…

今日の授業に来ていた写真家、Jacquline Salmonの作品は他に比して興味深いものだった。 ≪地理書記法géocalliographie≫と称されたシリーズは、写真イメージを従来の地理学・気象学の表記法と組み合わせることによって制作されている。18・19世紀の古地図を参…

今週末は、美術館ラッシュ。 Maillolに続き、Jeu de PaummeのLisette ModelとEsther Shalev-Gerz展、Maison europeene de la photographieでのElliott Erwitt-Philippe Bordas-Sarah Moon-Luc Choquerの写真展にいく。 気づけば、ほとんどの現代作家が、少な…

ランシエールの写真論を読む。http://d.hatena.ne.jp/nobu0125/20100126#p1 ベンヤミン、バルトへの批判を皮切りに、最終的には、ヴィデオアートまでを射程に入れたイメージ論。とりわけ、バルトによる「プンクトゥム」が、その実、ストゥディウムとの相補的…

Maillol美術館で開かれている展覧会、「Vanités―生と死、カラヴァッジオからダミアン・ハーストまで」にいく。http://www.museemaillol.com/ タイトルにあるとおり、骸骨などをモチーフに人生の儚さをテーマとした諸作品を、ポンペイの装飾から古典・近代絵…

後期の授業が始まる。 内容は、アーティストへのインタヴューとアヴァンギャルド映画についてのゼミ発表の他、哲学科のフーコー論、デュボワの授業にも出てみるが、これも学生の発表のようで、初日は、アメリカのファウンド・フッテージ映画の監督、ビル・モ…

映画の文化史のセミネールへ。 http://hicsa.univ-paris1.fr/page.php?r=62&id=300&lang=fr 前期に受けていた先生の発表で、30年代の「大衆の芸術」=映画批評とモデルニテとの関係を問うもの。具体的には、『雨に唄えば』の映画と演劇を比較するセリフを導…

解放された観者 ジャック・ランシエール ディディ=ユベルマンの推薦で、一章をざっと読む。ここでいう観者とは演劇を軸に考えられているものの、最終的にはそれが、メディアの問題へと接続される。冒頭で、ブレヒトやアルトーなど旧来の劇場論が、劇場=真…

ブログを徘徊していると、パリ8で昨年おもしろそうな博論が提出されていた。指導教官はJean-Louis Boissierだそう。 Caroline CHIK L’IMAGE PARADOXALE Les relations fixité-mouvement dans l’image optique, de la camera obscura aux animations interac…

パリに来て最初に泊まった宿の主がマルセル・マルソーのお弟子さんだった。以前、その人が参加している作品を見せてもらったのだが、ドゥメニーばりの黒スーツにアヴァターばりのプログラミングを用いた舞台パフォーマンスだった。パントマイムというのは、…

アヴァターを見に行く。今更だが、もののけ姫がマトリックスでタイタニックした、という感じ。最後に見開いた眼は、続編のやる気だろうか。劇中の画像技術などでは近年の作品を参照しつつ、なぜ物語構造は逆行した(させた?)いたのか。ロボット技術は妙に…

ニューヨークの写真美術館から、Dawn Adesの新刊?らしい。 http://shopping.icp.org/store/product.html?product_id=32514 タイトルの通り、クローズ・アップについて。ちょっとだけおもしろそう。ところで、共著のSimon Bakerという人については知らなかっ…

Duboisの続きが読みたくなり、今日大学でコピーした本。買い物カゴに入れようか迷う。●Cinéma et dernières technologies 1998年なのでもはや「最新」でもないが、Duboisとスティグレール、Dominique Chateauなどが、映画と後の映像技術、テレビ=ビデオなど…