2006-01-01から1年間の記事一覧

芸術家の顔を切り抜き、言わば記号化して、メディア上で浮遊させるということ。サインとの関係。→当時、隆盛しつつあったメディア文化に記号化した人間を載せるという行為は、言わばそれまで、自己同定化、アイデンティフィケーションをいう括弧たる画一線を…

フォトモンタージュという技法の効果を簡単にまとめてみたい。 しばしば、フォトモンタージュという技法は、対象を脱コンテクスト化すると述べられるが、そもそも写真を断片化して切り貼りすることは、どのような効果をもたらすのか。 まず、時間的な効果に…

森美術館ビル・ヴィオラ『はつゆめ』

先生と合流して、森ビルのビル・ヴィオラ展へ。 県美に来るらしいが、これはヒルズのバブリーな感じと妙にマッチして、おもしろかった。お客のイリもそこそこで、皆、神妙な顔をして見入っている。というのも、ビデオは一貫してスローモーションだからだ。こ…

集中講義

物語絵画のナラトロジ−分析と題された今回の講義では、言葉による語りの意味、すなわち一般的に言うシニフィエが、心的イメージではない、という結論の仮定から始まった。それを考える方法として、小説や映画でも発展してきたナラトロジ−分析を、物語絵画の…

「寓意的手段:現代アートにおけるアプロプリエーションとモンタージュ」 ブックローさんを読み始める。訳語の問題や分量も息も長い文章、道は長くて険しいが、おもしろい。ベンヤミンのアレゴリーを意識しながら、現代アートにおけるアプロプリエーションや…

「ピカビアとX線とラヂオメーター」 Linda D. Henderson 19世紀のスピリチュアリスム、W・クルックス卿とクルックス管、レントゲンなどと、ピカビアの作品の因果関係を探る論文。人間の知覚の不十分さを指摘するピカビアや妻の言葉を根拠に、図像学的にそ…

今日は映画。ソクーロフの『太陽』。終戦時の昭和天皇が淡々と描かれる。「淡々」というのは、この映画が、直接的に史実や時間軸をはっきりとさせることはなく、動乱の日本もほとんど映さず、単純に彼を悲劇のヒロインに仕立て上げるのでもない、ということ。…

昨日の今日で

その足で、国立国際の「エッセンシャル・ペインティング」、「小川信治」、「日本近代写真」展へ。 「エッセンシャルペインティング」 1990年代の欧米絵画をまとめた、というぐらいに広範な展覧会。少々多すぎる出展作家の数に、どうも散漫な感じになってし…

梅田のホテルで読書会。一階喫茶室で二時間近く、キリストの死体についてあーだこーだと語り合う。 ユベルマンもとうとう終わりに近づく。 議論の核は、前回のフロイトの議論を用いた形象化の作業であったように思う。表面としての傷が、その傷穴から、「一…

なんちゃらの秋

シニフィエとシニフィアンを見出したソシュールによる「第2の発見」に注目し、「言葉」を起点に「無意識」との関係を考察する一冊。さーっと読めた。 ソシュールの一般言語学において、ラング(表層のロゴス、制度化された構造)とランガージュ(深層のロゴ…

今朝、郵便ポストに届いた本。 こんなにこざっぱりしてなくて、旧版の装丁はタイトル共に、なかなか不穏なのだが、副題に惹かれて購入。(出版社も変わってる!) ざっと読んだけど、当時の文化(芸術)と社会(政治)の切っても切れない動向に、<モンタージ…

October掲載のピカビア論"The Artwork caught by the tail"を読む。 カコジル酸塩をもって、訳の分からん作品解釈を続けるなぁと思ってたら、えらく突然、理論へと入り出した。 ピカビアのTableau dada とは何なのか? 分析を終えて、筆者が取り出したのは、…

ドイツ・ダダのフォト・モンタージュは、断片化された写真が記号として重積されて、その過剰さも相成って、見る者の視線はその上を参照点なく彷徨い、それぞれの記号としてのその意味内容が、重層的にメタレベルへと吊り上げれていく。 対して、ピカビアの写…

これとこれ

作品

アルベルト・ジャコメッティ展 兵庫県立美術館

夜にジャコメッティ展へ。閉館近くてもそこそこの人が来てた。 絵画が割りと多く、コンパクトに収まっていて非常に見やすかったが、初期の作品が少なかったのが残念。 実存主義、矢内原との関係、そして「見えるがままに表す」、「見ること」が執拗に強調さ…

少し長くなるが読書ノート。 クレーリーは、視覚−視覚装置+観察者(主体)−の18世紀を中心とした精緻な考察をもとに、従来とは異なるその変容を導き出す。しかし精緻過ぎて、少し疲れた。 視覚の形式やモードが過去の遺物として如何に取り残されているか。…

そうして一日、日給バイトをこなした帰り道、古本屋に寄って見つけてしもた残存するイメージ―アビ・ヴァールブルクによる美術史と幽霊たちの時間作者: ジョルジュディディ=ユベルマン,Georges Didi‐Huberman,竹内孝宏,水野千依出版社/メーカー: 人文書院発売…

増田先生から配布して頂いた、論文を読む。ので、前回の続き。そこでは、マス、サブ、ポピュラー・カルチャーの語義が、それに伴う批評と共に手際よくまとめられていた。曰く、マスにはアドルノを筆頭とするフランクフルト学派の批判が注がれ、それに次いで…

ポピュラー音楽学の増田先生と漫画学の瓜生先生、ウチの先生で、対談。サブカルチャー論という授業であったが、サブカルチャーとはいったい何か。以前、どこかで「サブカルチャー」は死んだという論を読んだ記憶があるが、死んだのはカウンターカルチャーと…

サルトル・メモ。彼の言う「内在性の幻想」について。 L'conscienceとL'imageとL'objet 対象を見て意識の中で作られたイメージ、つまりそれは、L'image de l'objet、対象のイメージ。他方、対象のないイメージがあり、もちろん意識のなかにあるはず。「内在…

朝日を浴びながら。See No Evil / TelevisionMarquee Moon (Dig)アーティスト: Television出版社/メーカー: Elektra / Wea発売日: 2003/11/03メディア: CD クリック: 31回この商品を含むブログ (36件) を見る

ユベルマン・メモ 深読みと浅読みのバランスを気にしながらも、 「染みの形象性が消し去られるところで、形象性が生起する」という仮定に関して言いたかったこと。 「行為[act]」が発動して、「行動[action]」になる。この行為を起点と捉えて、そこにパース…

朝焼けのハイテンション

で、ブログ開設。