今日で最終日、楽しみな面子が並ぶが。
一本目は、オーガナイザーでリーダー本も出しているNicholas Mirzoeffで、発表もおしゃべりも上手な方だった。しかし、少し巻き舌で苦労する。。発表は、"Global Visualities and The New Everyday"というもの。歴史の可視化における「見ることの権利」というテーマで、歴史、とりわけ戦場の可視化や植民地表象を事例として、視覚性の複合体complexを歴史・理論化しようとする。後半には、人工統制から以下のテレビドラマ?におけるNew Orleansの土地表象を用いて、デジタル・メディアとの絡み合いまでを論じていたものの、範囲が広すぎてあまり理解できず。

二本目のセクションでは、発表が2本。
ベンヤミン研究のEsther Leslieは、発表というよりもストーリーテリングとして、シャッターという言葉を手がかりに連想するイメージを歴史的に綴っていくもの。2本目は、身振りについての発表(ということで期待したの)だが、視覚文化の学際性という導入からメキシコの手振りの紹介に終始するもので、その射程がわからなかった。メキシコ・プロレスの手振りに引き継がれているそうだが、ムタのような感じか。。

最後は、大御所たちのトークイベントのような雰囲気。
G.ポロックのスピーチにだけ、拍手が上がってた。しかし、壇上ではカルチュラル・スタディーズ以来の学際性と、それが及ぼす制度への影響ということがずっと語られていたように感じる。聞き取れてないのだが、VCSそのものへの批判的な意見は聞かれず、客席からは退席者が目立っていたり、横の人がどう思う?と突然僕に聞いてきたところをみると、おなじような不満が漂っていたのではないだろうか。実際、質疑になると一斉に手が挙がり、ギャラリーや教育現場からの語気の強い質問が飛び交っていた。壇上から個別に応答はなく、最終的に各自の現場での悩みを打ち明けて英米圏でがんばろうという感じに聞こえてきたので僕は退出した。昨日と同様、全体的に個々の発表の枠組みが広くて核心まで届かず、また、理論的参照項もキーワードを紹介するものが多く、その内実までは議論されていないような印象を受けたのだが、どうだろう。