最近読んでいる本。
A Fleur de Peau -Le Moulage sur nature au XIXe siècle
2001年末にオルセーで開かれた鋳造についての展覧会。
ディディ=ユベルマンが寄せている短い論文は、『接触による類似』とは少しだけ毛色の異なるもの。ポンペイの遺跡で発見された土石流の被害を受けた人々の鋳造による復元は、考古学との関連からも興味深い事例である。シモンドンへの言及もチェックする。
鋳造と写真との関係については、両者の平行性だけでは物足りない。バジャックは、それを19世紀の著作権問題と結び付けて論じている。
鋳造は美術だけでなく、医学―とくに皮膚学―との結びつきが強いようで、サルペトリエールにならんで、St.Louis病院の鋳造コレクションは圧巻のようである。こちらのデータベースから、collectionのMoulage St Louisで見られる。